雑木の庭の樹木の剪定
雑木の庭には多くの種類の樹木があり、自分で剪定をして手入れをしています。基本的にはどの樹木も剪定は同じ考え方で剪定しており、モミジの剪定方法、サクラの剪定方法、ケヤキの選定方法、などたくさんの剪定方法を覚える必要はまったくないと思っています。
剪定の違いがあるとするなら、その樹木が株立ちなのか、立木なのか、常緑なのか、落葉なのか、といった違いくらいでしょうか。
雑木の庭の場合、自然風の選定を心がけており、「壁のような生垣」や「手の込んだ和風庭園」や「盆栽のような樹木」にすることは目指しておりませんので、ご容赦ください。
樹木の剪定時期
剪定の時期がとても大切です。旺盛に伸びようとしている時期に強く剪定をしてしまうと、弱ったり枯れたりしてしまいますので注意します。
強い剪定ができるのは、樹木が葉を落とす時期です。具体的には、落葉樹は冬(12月~2月)、常緑樹は春(5月~6月)です。強い剪定でなく、手入れをして整える程度なら樹木への負担が少ないためこの時期からずれていても構いません。
樹木の剪定方法
剪定前が以下の図のようになっているとします。枝が込み入ってしまっている印象ですので、剪定する場合を例にしてみます。
剪定が必要なのは下の図で〇をつけた枝です。切るべき枝として名前がついているものもあります。
〇徒長枝
上へ強く伸びる枝のことで、図の中で橙色で〇を付けてある枝です。空に向かって強く伸び、短期間で太く長く成長した枝ですので、見分けやすいです。残しておくと他の枝に光があたらなくなってしまいますので剪定が必要です。
果樹には徒長枝が多く出ますが、あまり実はつかないので積極的に切ってしまいます。果樹農家さんは徒長枝を利用した樹形にすることはありますが、庭木としては樹形が悪いので、切ったほうがいいです。
〇絡み枝
他の枝と絡み合っている枝のことで、図の中で赤色で〇を付けてある枝です。枝が重なって込み入った印象になりますし、日の光も当たりにくくなりますので、絡み合った枝のどちらかを切ります。
〇小さく仕立てるために切る枝
図の中で黄色で〇を付けてある枝です。特に名前がつけられている枝ではありませんが、樹木をひとまわり小さくしたいときに切ります。
大きくなる樹木を庭木として管理したり、茂る樹木を雑木風に剪定するために切る枝です。途中に枝分かれが少なく大きく伸びる枝をなるべく根元の分岐位置から取り除くように剪定するとすっきりします。
剪定した樹木
〇を付けた枝を切って取り除くと、下の図のようにすっきりします。この図では立木の場合を例にしましたが、株立ちでも同じ考え方で剪定をします。唯一違うのは、ひとまわり小さくしたいときに切る枝は根元から立ち上がっている枝のうち、太く込み入って背の高い枝を選んで切るようにします。
他にも切るべき枝や呼び方があるのですが、基本的にこの3種類さえ覚えて剪定していけばよいのではないでしょうか。
絡み合うところを除去して、大きくはみ出た徒長枝のような枝を切り、弱った枯れた枝を取り除けば、すっきりします。
余談ですが、枝を切るのは、整えるのと似ています。櫛で髪をとかすように絡まった枝を取り除き、散髪をするように不用意に伸びた部分を剪定し、傷んだ髪を取り除くように枯れた枝を除去。このように考えると剪定はとても簡単に思えてきます。
さらに樹木を伐採してなくしたい場合や、手の届きにくい大きな樹木を剪定する場合には以下の記事を参考にしてください。
立木の樹木を株立ちにする方法
株立ちの樹形は雰囲気が良いので人気があります。植わっている樹木が立木の樹形であっても、株立ちにすることができます。
立木の樹木を株立ちにする方法は、地面付近で切る、それだけです。枝も葉もない、切株のような状態になってしまうので大丈夫かなと思いますが、根が生きていれば細かい枝がたくさん出てきます。そうした細かい枝を選んで残して整えて、株立ちにしていきます。
ただし、地面付近で切るのは、かなりの強剪定になりますので、適した時期(樹木が葉を落とす時期、落葉樹は冬(12月~3月)、常緑樹は春(5月~6月))に切るようにします。また、樹木が弱っていると枯れてしまうこともありますので、丈夫な樹木を選びます。
枝を切る際に気を付けること
毛虫
5月~7月は、チャドクガなどの毒のある毛虫に注意します。触ると猛烈に腫れてしまううえに非常にかゆいので、頑丈な手袋をはめて作業をしてください。わたしが使っている手袋は丈夫でとても心強いです。防水なので水にぬれてもへっちゃらで作業できます。
葉の落ちる時期には、こうした害虫も少ないため、自分のためにも適期に剪定をしておきたいものです。
太い枝を切る場合
少し太い枝を切る場合には、枝の重みで枝が割けたようになってしまいますので、ノコギリを入れる順番に注意します。
下の絵は枝の断面から見たときのノコギリの入れ方です。
1.上からノコギリを入れます
2.ノコギリが通り抜ける予定の個所を反対方向(図でいうと下から)から少しだけノコギリで切れ目を入れると、3のような断面になります。
4.また最初の方向(図でいうと上から)ノコギリを入れて切っていきます。
このようにして切ると、切断面が割けることを予防することができます。
まとめ
剪定ノコギリが切れなくなったら研いで切れ味を復活させるとノコギリも長持ちします(以下は姉妹サイト)
最後に、剪定の方法を難しく説明している本やサイトをたくさん見ましたが、自分でやってみるのが一番です。失敗してもいいのでまずは試してみて、好みの樹形を見つけてみるのもいいのではないでしょうか。
それでも無理があると感じた場合には、業者に頼んでみるのも良いですが、まずは試しにやってみたら案外楽しいかもしれません。