樹木を増やすために取り木をする

樹木を増やすために取り木をする剪定・手入れ

樹木の増やし方

樹木を増やす方法には種まき、挿し木、取り木といった方法があり、それぞれに利点や特徴があります。どれも簡単に試すことができますので、お気に入りの樹木を増やして楽しんでいます。また、それぞれの方法に適した樹木、適さない樹木もありますので、あれこれ試してみるのも良いのではないでしょうか。

種まき

親の樹木とは異なる性質の樹木が得られます。例えば、親の樹木の花付きが悪くても花付きのよう樹木が得られたり、雌木から雄木が得られたりします。また、根の張り方が自然で土の保持力が良いです。

挿し木

木の枝を土に挿して発根させて樹木を増やす方法で親の樹木と同じ性質の樹木が得られます。たくさんトライすることができますし、枝が得られれば簡単に試せます。

取り木

木の枝に傷を入れた箇所から発根させて枝を切り取る方法で、親の樹木と同じ性質の樹木が得られます。太い幹を得ることができるうえ、挿し木より成功率が高いです。成長が遅い樹木は、取り木の方法適していればぜひ試したい方法です。

今回は、この「取り木」を行いたいと思います。

取り木の方法

まず取り木をしたい樹木の樹皮をはがします。下の写真はツバキの取り木です。

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湿らせた水苔を切り裂いたポットに入れます。

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水苔を入れたポットを樹皮をはがした樹木に巻きます。

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この状態で三か月から半年ほど待ち、発根してれば成功。失敗の場合には、剥いだはずの樹皮がつながって元にもどってしまいますが、元にもどるだけなので失敗してもダメージがないのも魅力。

数か月経ったら、ポットを取り外して樹皮をはがした部分に根が出ているかどうか状況を確認してみます。上の写真では、ポットを取り外す前から根がポットからはみ出ていますので、発根しており取り木が成功しているのがわかります。ちなみに上の写真はアセビの樹木の取り木です。

成功していたら、根をつけたまま枝を切り取り、土に植えます。まだ根が少ないので、倒れないように添え木をしてあげると良いと思います。

そのまま移植先に植える方もいますが、わたしは鉢植えでさらに一年ほど根をしっかり育ててから移植先に植えています。

取り木の仕組み

樹木の年輪は毎年幹の外側周囲に形成されていきます。樹木はどんな太い幹でも外側の部分(樹皮)から養分や水分を吸収して年輪を刻んでいるのです。

この部分に切り込みを入れて養分や水分の流れを遮断してやると、樹木は遮断されたところから栄養分を得ようとして根を出します。これは挿し木も同じ仕組みです。

樹木には種まきには向かず取り木や挿し木でしか増やすことが難しい種類の樹木がいくつかあります。ヤマモモなどはその例ですが、自然界でどうやって生き残ってきたのかいつも不思議に思っています。

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