雑木の庭をつくりながら考える、温室効果と肥料との関係

雑木の庭をつくりながら考える、温室効果と肥料との関係土作りなど

肥料について

植物を育てていると、肥料として窒素をよくつかいます。

窒素は植物の葉を育てるために必要な元素で、空気中に一番おおく含まれている気体です。昔は空気中に8割もの窒素があってどんな役に立つんだと不思議に思ったものです。

農作物は大量の肥料投入して収穫を維持していますので、肥料は人間の生活になくてはならないものであるのは間違いありません。

自然界で窒素が肥料として使われるには

その窒素が肥料として使われるにはどのような工程をたどるのでしょうか。もともと、土には空気中の窒素を固体の窒素として固定する、窒素固定菌と呼ばれるアゾトバクター や根粒菌というバクテリアが存在しています。そのバクテリアが気体の状態の窒素を固体の状態に変えてくれます。

つまり、特段の肥料を与えなくても自然界では窒素固定菌が窒素を空気から取り込んでくれているのです。窒素は地球上にたくさんありますが、自然界ではこのような窒素固定菌などの役割があってはじめて固体になり肥料として使えるようになります。

人工的につくられる固体の窒素

さて、自然界でつくられる以上の窒素を必要とする場合、さらなる窒素は工業的につくる必要があります。工業的に窒素を固体化するには、化学的に高温高圧をかけるなどしてアンモニア(NH3)を反応させ、化学的に窒素肥料を生成しています。

一方、人工的な窒素化合物は温室効果の原因にもなっています。アンモニアを反応させて窒素を生成する際、その触媒となるNORという有害物質を無害化する際にN2Oという物質が発生してしまうそう。

このN2Oという物質は二酸化炭素の300倍も温室効果があるといいます。化学肥料の多用が温室効果につながることは留意しておかなくてはならない問題でしょう。

わたしたちにできること

窒素を固体化することが温室効果につながることはわかりましたが、わたしたちになにができるのでしょうか。N2Oが発生しないような窒素固定化の新技術がみつかれば革新的ですが、一個人としてできることではないでしょう。

わたしが考えるできること、それは自然の摂理をうまく利用することだと、思っています。つまり、自然で得られる以上のものを過剰に欲しない、ということです。自然界にも窒素を固定化する力があります。その力を活かすようバクテリアを大切にして作物を育てていけば、窒素の投入は最小限で済むのではないでしょうか。そのために、雑木の庭の畑では、黒マルチを貼らず、微生物を育てて活かすような土作りをしています。農業を生業としていないからできることだとは思いますが、しばらくこのスタイルを続けていこうと思っています。

温暖化,畑,肥料
双六岳からの眺め

双六岳からの眺め。この綺麗な景色を守っていきたいものです。

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