夏の一番暑い時期には都会でも田舎でもセミの鳴き声でいっぱい。雑木の庭でも例外ではなく、セミの大合唱が大音量過ぎて会話すら聞き取りにくいほどになります。
さて、セミは地中にいるときにはイモムシ状態の幼虫で、普段見慣れた羽根の生えた成虫になるには「羽化」という大変身が必要です。その「羽化」は、7月末からお盆くらいまで夕暮れの公園や庭で見ることができます。「羽化」の観察は雑木の庭の夏の風物詩にもなっています。
その羽化の際には、その過程で羽根がしわくちゃになったり羽化の途中で落下したりして、時々失敗もしますのでセミにとっては命がけの羽化なのでしょう。セミによって地中にいる期間は異なるようですが、数年地中にいた幼虫がアクロバティックな羽化を経て成虫のセミになる様子は本当に神秘的ですし、羽根の広がり方も面白く、さらに羽化直後のセミは半透明で透き通り、とても美しいです。
セミの羽化の観察
羽化の最中はセミは無防備になるので天敵から逃れるように羽化の場所には暗闇を好むようです。羽化が始まったら移動することはないですが、やはり明るいところは嫌いなようで光を当てたりすると暗い所へ移動しようとします。かわいそうなのであまり光を当てないようにして暗いところで静かに観察します。
土から出た幼虫は、安全なところまで木や棒を登ったらしばらく動かくなります。その後、頭の方から羽化が静かに始まります。羽化が終わるまでは1-2時間かかります。セミの抜け殻が多く見られるような場所で足元に注意しながら夕暮れ時に探すと羽化に向かうセミの幼虫を見つけることができるかもしれません。
正面から見たセミの羽化
ひとつめの動画は、正面から見たクマゼミの羽化の様子です。緑がかった羽根がとてもきれい。数時間かかるセミの羽化を写真をつなげて数分の動画にしてみました。小さく折りたたまれた羽根が大きく開く様子はとても豪快。
横から見たセミの羽化
こちらは横から見たセミの羽化の動画です。同様に写真をつなげて数時間かかるセミの羽化を数分の動画にしました。横から見ると、大きく沿って殻から出る様子がよくわかります。
見たことない方はぜひ一度は抜殻に絶妙につかまりながらダイナミックに羽化をする様子を自分の目で見ていただきたいなと思います。
アブラゼミやクマゼミからはじまり、9月はじめのミンミンゼミまでセミの合唱は続きます。長い地中の期間と比べると短い成虫の期間、セミは精一杯鳴いて存在感を誇示しているかのようです。