ゆっくり育ち手間のかからない常緑樹、アセビ

樹木

雑木の庭のアセビ

雑木の庭には何本か樹高4メートルほどの大きなアセビの木があります。常緑樹は割と樹勢が強くて早く大きくなるものが多いなか、このアセビはとてもゆっくり成長します。これほど大きくなるには多くの年月が必要だったかと思われますので大切にしています。あまり主張のない樹木なのであまり目立たないのも気に入っています。写真では大きさがちょっとわかりにくいかもしれませんが、4メートルほどあります。写真のアセビはちょっと茂りすぎてます、剪定せねば。

冬の終わりに咲くアセビの花

2月から3月にかけてアセビの木はびっしりを花を付けて様変わりします。ツツジ科だからでしょう、ドウダンツツジそっくりの釣り鐘形状の小さな花を付けます。

アセビの花
アセビの花

馬が酔っぱらうことになることからつけられた「馬酔木」

「アセビ」は漢字で書くと「馬酔木」。これは馬に食べさせると酔っぱらうようになるからだそうです。気になって調べたら、「グラヤノトキシン」という神経系の毒だとか。この毒は細胞膜の機能を阻害し、神経のなかでも主に副交感神経の不活性化を妨げてしまう。症状としては血圧低下、心拍数減少、重篤な不整脈、発汗、めまい、脱力感、精神状態の変化、吐き気、嘔吐などがあるようです。

ちなみに、過去にヨーロッパでこの毒を含む植物の生息地域では、他の地域から飛来したミツバチがその花の蜜を集めたことにより「マッドハニー中毒」になったそう。さらに、その毒を接種したミツバチは6時間以内に死亡してしまううえに、元来その地域に住むミツバチはその蜜を集めないのだそう。また、鹿などの動物が多い地域ではアセビが目立って生息しているが、これも動物がアセビの毒を嫌って食べないためだそうだ。成長の遅いアセビの生きる道が毒であり、一方で馬酔木を避ける動物達の生存戦略も垣間見えてとても興味深いです。

アセビとは;特徴、育て方、注意点

ツツジ科 アセビ属の常緑低木。日本原産で成長がゆっくりなので育てやすい、濃い緑色の葉は3-5センチほどで細長く、枝先に束になってつく。また時々葉が色づくこともある。枝が込み合ったら重なった枝を間引く程度で良い。釣り鐘上の1-2ミリほど大きさで房状に咲く花は元来白色だが、園芸種に桃色がある。

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